紅茶をメニューに入れるなら「ちゃんと」考えてみませんか?
カフェの紅茶は美味しくない?!
「カフェの紅茶って、美味しくないことが多い」
紅茶好きの方から、こんな声を聞くことがあります。
さらに言うと
「お店では紅茶を頼まない。美味しくないのがわかっているから」
「コーヒーも特別美味しいわけじゃないけど、紅茶よりはマシ」
そんなふうに言われてしまうのは、残念ではありませんか?
お客さんは、紅茶にこだわりはない
「紅茶は出ないんです」
「うちはコーヒーにはこだわっているけど、紅茶にはこだわっていなくて」
「お客さんも、紅茶にこだわっていないから」
お店の方からは、このような言葉を耳にすることもあります。
本当にそうでしょうか。
お客様は、紅茶の味に気づいています
紅茶が注文されない理由は、もしかしたら「美味しくない」と感じられているからかもしれません。
お客様は、はっきり言葉にしなくても、ちゃんと気づいています。
この紅茶は、ちょっと残念だな、と。だから、次は頼まない。それだけのことなのです。
「ランチは美味しかったけど、紅茶はいただけなかった…」
けど、お店の方には「美味しかったです!」とだけ伝えて帰った——。
そんな話を聞いたこともあります。
これでは、気づかないのも無理はありません。
とはいえ、飲食店は、味がすべてではありません。現代社会はその傾向が増してますし、若い方を中心に“味を重視していない人が増えている”ことはひしひしと感じます。
そのお店のお客様の大多数が喜んでいるのなら何の問題もありません。
紅茶が美味しくないカフェや飲食店のコーヒーは美味しいのか?
意外に思うかもしれませんが、紅茶が美味しくないと思われている飲食店は、実は“コーヒーも美味しくない”と思われているが多いです。
「コーヒーのほうがまだマシ」
「コーヒーは一応飲める(紅茶は飲めたもんじゃない)」
こんな声をどれだけ聞いたことでしょう。
私もそう思っています。
なぜなら、同じ人の味覚やセンスだからです。
コーヒーに対して素晴らしい味覚やセンスを持った人は、紅茶に対しても鋭い感覚があるはずだと思うのです。
たとえば、ソムリエの田崎眞也さんは、紅茶に対しても正しい味覚があると思うのです。「私はワインのソムリエですから紅茶のことは分かりません」というでしょうか。専門外だとしてもその味覚は変わらないはずです。
紅茶がなくてもカフェはできる
紅茶にこだわりなんか持たなくてもいいんですよ。こだわりがあってもなくても構いませんが、お客様が美味しいと思う、最低限“美味しくないとは思わせない”紅茶を出しませんか。
紅茶がなくてもカフェや飲食店はできます。
事実、紅茶がないカフェや飲食店はあります。
むしろ、ちゃんと考えているお店は、中途半端に紅茶を扱いません。
中には、開業から半年や一年経ってお店の内容が安定し、オペレーションが安定してから、紅茶を扱うようになったお店もあるのです。
もちろん、何をやってもうまくいっているのならOKです。結果の前には、どんな理屈も通用しませんから。とはいえ、微妙なことを言っていたカフェや飲食店が、のちに閉店してしまったのも事実としてあります。
紅茶を置かない選択肢もある
そもそも、自分があまり気にとめていない商品・紅茶を置いているのはどうなんでしょう?
・コーヒーにはこだわるけど、紅茶はそこまで気にしない
・紅茶専門店じゃないから
このように言うのなら、紅茶を扱わなければ良いのではありませんか。
これを言うと「コーヒーを飲めない人がいる」という声が返ってきますが、コーヒーを飲めない人には、こだわらない紅茶を提供することは平気なんですかね。そこが不思議です。
本当にコーヒーに命を懸けているのなら紅茶は扱わないはずです。また、コーヒーに本気でこだわる人が「コーヒーを飲めない」という声に流されるはずもありません。
「紅茶は扱わない」という選択肢があるのに、中途半端な紅茶を扱う人の感覚は微妙だなぁと私は思います。
開業前の方には想像できないと思いますが、中途半端な考えはキケンだと思います。
カフェや飲食店で「紅茶は扱わない」という選択肢があるのですから、扱うのならちゃんとと考えてみてはいかがでしょうか。