
もう一つのミルクティー「ロイヤルミルクティー・チャイ」
一般的にミルクティーといえば、ストレートティーにミルクを添える「イングリッシュミルクティー・Tea with Milk」を指します。もう一つの方法として、牛乳で煮出して作る「ロイヤルミルクティー・チャイ」があります。
- ストレートティーにミルクを添えるミルクティー=イングリッシュミルクティー・Tea with Milk
- 牛乳で茶葉を煮出して作るミルクティー=ロイヤルミルクティー・チャイ
ロイヤルミルクティー・チャイについて詳しくお話しをする前に前提のお話をしますね。
イングリッシュミルクティー・ロイヤルミルクティー・チャイ
イングリッシュミルクティー・ロイヤルミルクティーともに日本で名付けられた呼び名です。和製英語です。レシピなどに正式な定義はありません。
チャイは、「茶」のことであり、チャイ=スパイスティーではありません。
ティークラブでは、チャイとロイヤルミルクティーは同じものを指します。牛乳で紅茶を煮出したミルクティーのことです。チャイは、スパイスを入れないプレーンなミルクティーです。スパイスを加えたチャイは「スパイスチャイ」と呼んでいます。
なお、牛乳で紅茶を煮出したミルクティー(ロイヤルミルクティー・チャイ)のことをイングリッシュミルクティーに対して「インディアンミルクティー」と呼ぶこともあります。
この後は「ロイヤルミルクティー・チャイ」と表記すると紛らわしいので「ロイヤルミルクティー」と表記します。
けれども、あなたのお店のメニュー名は「ロイヤルミルクティー」でも「チャイ」でも「インディアンミルクティー」でも「ティーオーレ」でも構いません。単にミルクティーとしてもOKです。あくまでもメニュー名・呼び名なので、好きに決めてもらって構いません。
カフェ飲食店のロイヤルミルクティーの作り方
【オーダーごとに作る】
- 茶葉・・・8g
- 水・・・150cc
- 牛乳・・・150cc
- 煮出し時間・・・2分
- 水と牛乳を鍋に入れ加熱する
- 沸騰直前で火力を弱め茶葉を入れる
- 沸騰しない火力でかき混ぜながら2分煮出す
- 茶葉を濾しながら、ティーポットや大きなカップに移し替える
※茶葉はコクあるアッサムCTCが断然おすすめです。

牛乳で茶葉を煮出す
【作り置きをする(ホット・アイス兼用)】(例)
- 茶葉・・・38g
- 水・・・800cc
- 牛乳・・・1000cc
- 煮出し時間・・・6分
- 水と牛乳を鍋に入れ加熱する
- 沸騰直前で火力を弱め茶葉を入れる
- 沸騰しない火力でかき混ぜながら6分煮出す
- 茶葉を濾す。ミルクティーの入ったボウルや容器ごと冷水に浸け冷やす。冷めたら密閉できる容器(ペットボトルなど)に移し替え、冷蔵庫で保存する。
- オーダーごとに必要量を温め直す。
アイスミルクティーと兼用できる。
茶葉はアッサムCTCが推しですが、アイスミルクティーと兼用する場合は香りが残る「アッサム+アールグレイ」もおすすめ。
【注意点】
- 作る分量が増えると紅茶のエキスの抽出が増える。また、煮出し時間を長くしているので茶葉のエキスが出やすくなる。そのため茶葉の分量は2~3割程度少なくなる。
- 煮出す際の蒸発と茶葉が水分を吸うためでき上がり量は1~2割程度減る。できあがり量の目安1500cc前後
- 48時間程度の保存が可能(作った翌日中の消費推奨)
カフェ飲食店のロイヤルミルクティーの提供の仕方
【オーダーごとに作る場合】
オーダーが入ったら、上記の作り方で作る。理想はストレートティーとティーポットやティーカップを変えることですが、難しければ同じでも構いません。カフェオレボウルやマグカップのような大きなカップで提供するものよいでしょう。
ティーポットで提供する場合は、客席で一杯目の紅茶を注ぎましょう。
【作り置きをする場合】
上記の作り方で作る。冷蔵庫に保存しているためミルクティーは冷たい。
オーダーが入ったら小鍋などで沸騰直前まで温める。沸かさない。
ミルクの幕が張ったり、作った時に濾しきれていない細かい茶葉があるため、茶漉しで濾しながら、ティーポットや大きなカップに移し替える。
ティーポットで提供する場合は、客席で一杯目の紅茶を注ぎましょう。
ロイヤルミルクティーをカフェ飲食店のメニューにするヒント
カフェや飲食店でロイヤルミルクティーをメニューにする方法は大きく分けると2つあります。
- ロイヤルミルクティーを別メニューとして提供する※一般的な方法
- ロイヤルミルクティーをミルクティーとする
ロイヤルミルクティーは別メニューとして提供する
一般的な方法です。紅茶は一般的な方法「ストレートorミルク」で提供し、ロイヤルミルクティーはアレンジティーのような位置づけで別メニューとして提供する。
紅茶はストレートティーの濃さで提供するのが自然です。※茶葉2倍ミルクティーは提供しない。
【メニューの一例】
ダージリン
アッサム
アールグレイ
ロイヤルミルクティー
アイスティー
ロイヤルミルクティーをミルクティーとする
ミルクティーを煮出し式のロイヤルミルクティーにし、Tea with Milkは提供しない。ホットティーはストレートティーかミルクティーかの選択にする。
【メニューの一例】
ストレートティー
ミルクティー(ロイヤルミルクティー)
アイスティー
アイスミルクティー(アイスロイヤルミルクティー)
【メニューの一例】※上記の表記順をかえたもの
ストレートティー
アイスティー(ストレートアイスティー)
ミルクティー(ロイヤルミルクティー)
アイスミルクティー(アイスロイヤルミルクティー)
【メニューの一例】
ストレートティー
┗ダージリン
┗アールグレイ など
ミルクティー(ロイヤルミルクティー)
アイスティー

アイスミルクティー
ロイヤルミルクティーは人気になりやすい
カフェでは、イングリッシュミルクティーをやらないでロイヤルミルクティーをミルクティーとして提供することは有力です。前述の「2」の方法。個人的には、かなりおすすめのやり方だと思っています。
なぜなら、カフェに行く客層・特に若い客層や女性客は、カプチーノやマッキャートなどに代表されるミルク系のドリンクが好きな人が多いと考えるからです。
コーヒー専門店系のカフェや紅茶専門店系のカフェであれば、ストレートコーヒーやストレートティー推しでよいと思いますが、一般的なカフェで若い方や女性客が多いのでしたら、カフェオーレーやミルクティー推しは有力です。プラスアイスティーですね。
ミルクティー推しにするなら「茶葉2倍紅茶のミルクティー」か「ロイヤルミルクティー・チャイ」を提供することを強くおすすめします。紅茶好きより客層なら「茶葉2倍紅茶のミルクティー」カフェ好きよりの客層なら「ロイヤルミルクティー・チャイ」がおすすめ。両方はやらなくていいでしょう。
そして、ミルクティーに力を入れてるお店、ミルクティーが美味しいお店が少ないのがもう一つの理由ですね。合わせて、ストレートティーは家で飲む方が美味しい、お店のストレートティーは家庭のストレートティーを超えにくいからです。
この辺りのことを語ると長くなるので割愛します。別の機会にお話できればと思っています。
ロイヤルミルクティー・チャイとは無縁のお店も多いとは思いますが、案外有力なメニューなので力を入れて紹介しました。
カフェ飲食店でストレートティーを提供する3つの方法

“美味しい”でお客様を喜ばせたいカフェや喫茶店、飲食店に紅茶専門店ティークラブがおすすめするストレートティーのいれ方~提供の仕方を紹介します。 カフェや飲食店でストレートティーを提供する場合、いれ方(抽出)の途中までは同じですが、お客様への提供の仕方で3つの方法が考えられます。 カフェ飲...