美味しい紅茶のいれ方・5「汲み立ての水を沸かし、沸き立ての湯を使う」

美味しい紅茶のいれ方・5「汲み立ての水を沸かし、沸き立ての湯を使う」

美味しい紅茶のいれ方・セブンルール5「汲み立ての水を沸かし、沸き立ての湯を使う」

このポイントは家庭では全く難しくないのに、お店では案外難しい。おうちの紅茶とお店の紅茶の違いが出やすいポイントかもしれませんね。「家庭>>店」になるポイントです。

汲み立ての水を沸かす

汲み立ての水とは、水道の蛇口から汲んだ水。水道から出た新しい水ということです。紅茶をいれる時(湯を沸かす時)に水を汲み、すぐに沸かしてください。

酸素を含んだ新鮮な水が紅茶の抽出にむいています。

蛇口から汲んだ水でも「汲み置きはNG」です。5分10分くらい置くのは問題ありませんが、浄水などのために一晩など長時間経った水は紅茶には適しません。

151024-002

浄水器に関して

浄水器を普段から使っているかたは、そのままお使いください。日頃、浄水器を使っていないかたは、紅茶のためにわざわざ浄水器を買う必要はありません。普通に飲んで美味しいと思う水を使えばOKです。

浄水器の場合「シンプルな浄水」以外の「アルカリイオン水」とか「還元水」など、水の種類がある場合があります。その場合はどれが良いかはいえません。自分で試してもらうしかないですね。水を飲んで美味しいかの判断ではなく、紅茶をいれて美味しい紅茶が抽出できる水を使ってください。

水質は「軟水」が適します。

紅茶をいれるには「硬水」がよいという人がいますが、スルーしてください。飲み比べれば分かります。軟水は素材の旨味を引き出すため紅茶の香りが引き立ち、コクや茶の旨味、ほど良い渋みが引き出されます。

好みは人にもよりますが、一般的な日本人の感覚では軟水でいれた紅茶のほうが美味しいと感じるはずです。

日本の水道水は、ほとんどが軟水なのですが一部「硬水」の地域があります。硬水が出る地域は、残念ながら紅茶の味が落ちます。

幸い日本の場合は、硬水の地域もそれほど硬度が高くないので、そこそこいけます。気になる人は、軟水のボトルドウォーター*と比べてみてください。それぞれの水で紅茶をいれて自分が美味しいと思うほうをお選びください。どうしても気なる人は、高性能の浄水器を使うといいでしょう。

ちなみに、私の実家の水は硬水ですが、そのまま紅茶をいれています。軟水に比べると少し劣りますが、自分たちが飲む紅茶なので納得しています。

※軟水、硬水に関しては分からなければ、ググってください。

ペットボトルの水は適しません

話が前後し、しかも矛盾がありますが、ペットボトル(ボトルドウォーター)の水は適していません。

理由の一つは、ペットボトルの水は硬水が多いからです。前述のように紅茶には軟水が向きます。硬水は向きません。

「軟水のペットボトルは?」

酸素(空気)をあまり含まないから不向きです。

美味しい紅茶をいれるためには、軟水を使うと同時に、酸素(空気)を含んだ水を使うのがポイント。汲み立ての水道水には酸素が含まれていますが、ペットボトルの水は、酸素が少なくなっているから向かないのです。

※前述の話*は、硬水が出る地域の苦肉の策なのでご理解ください。

ペットボトルをふるは意味がない

「ペットボトルの水を使う時は、よく振ってボトル内の酸素を水に入れてから使う」という説。忘れてください。ペットボトルは振っても酸素は入りません。泡立つだけです。マスコミ向けのパフォーマンスくらいに軽く考えてください。

ペットボトルの水は紅茶にむきません。水道水が硬水だったり、飲めない水質だったりする場合に、やむを得ず使う。やむを得ないのですから、ジタバタしないで、そのまま使ってください。

沸き立ての湯を使う

汲み立ての水を沸かし、沸き立ての湯を使う。ピークに沸騰したら、すぐに注いでください。

湯気が少々出たくらいでは沸騰していません。シュンシュンと勢い良く湯気が出るまで沸かしてください。

151024-001

ピークまで沸いたら、すぐに注ぐ。

ただそれだけです。コツもなにもありません。

「沸騰直前を使う」とか「数分間沸かし続ける」とか、煩わしいことはしなくていいです。

沸騰するタイミング合わせて、ティーポットに茶葉を入れて用意しておく。
沸いたら注ぐ。
難しくないですよね。

湯を沸かす道具

湯を沸かす道具は「やかん」がおすすめです。

やかん以外のものでも構わないのですが、やかんが一番ティポットに湯を注ぎやすく、湯が沸くの早いものが多いので、おすすめします。

やかん

やかんが最も湯を注ぎやすい

「電気ケトル」

保温するタイプではなく、湯沸かしのための電気ケトルはOK。

沸いた瞬間を見落としやすいので、その点だけ注意してください。

水は必要な分量よりも多めに沸かす。例えば、300ccの湯を沸かす時に400~500cc沸かすなど。多めの水を沸かしたほうが酸素が残るからです。

電気ケトル

沸騰を見逃さない

「電気湯沸かしポット」

最近使う人が減っているとは思うのですが、電気湯沸かしポット(保温するタイプの電気ポット)で保温した湯はNG。

水をいれて沸騰した直後なら問題ありませんが、このタイプは保温している人が多いと思います。保温の湯は避けてください。

電気ポット

組み立ての水の沸かし立てならOK.保温はNG

「二度沸かしの湯」

一度沸かした湯を時間が経ってから、もう一度沸かした湯は美味しい紅茶には適しません。

上記の湯沸かしポットの再沸騰も同じことです。

例えば、紅茶をいれて飲みました。しばらくしてからもう一度飲みたい時。「おかわり」する時とか、別の人が飲みたいと思った時などに、少し前に沸かした湯をそのまま沸かすのはNGということです。

とはいえ、湯を捨て、水を汲み、一から沸かすのは時間がかかります。このよう場合は、残った湯に新しい水を足してください。

ティーポット1つ分でもよいので、新鮮な水を足せばOK。ベストではないけど、ベターです。

すべてのポイントが難しいことではないのでやってみてください。

美味しい紅茶のいれ方の「セブンルール」

  1. 品質の良い新鮮な茶葉を使う
  2. ティーポットでいれる
  3. ティーカップ二杯以上いれる
  4. 分量を間違えない
  5. 汲み立ての水を沸かし、沸き立ての湯を使う
  6. 蒸らす
  7. 濃さを整え、注ぐ

関連するページ

  1. 紅茶の湯の沸かし方

    紅茶をいれる時の湯の沸かし方や温度に関して

  2. 美味しい紅茶のいれ方・3「ティーカップ二杯以上いれる」

    美味しい紅茶のいれ方・3「ティーカップ二杯以上いれる」

  3. 美味しい紅茶のいれ方・7「濃さを整え、注ぐ」

    美味しい紅茶のいれ方・7「濃さを整え、注ぐ」

紅茶専門店ティークラブ

ティークラブは、テレビラジオ雑誌新聞小冊子などさまざまなメディアに取り上げられました。
メディア掲載
出版書籍
出版書籍
サイト運営者

堀内芳昌
紅茶専門店ティークラブ堀内芳昌
日々の暮らしの中で良質な紅茶を気軽に楽しんで欲しいと思っています。
忙しい日々の暮らしの中で「一杯の紅茶に癒される」「一杯の紅茶でHAPYYなる」こんな人が増えることを願っています。