紅茶は硬水でいれたほうが良いのでしょうか?

紅茶は硬水でいれたほうが良いのでしょうか?

  • 紅茶は硬水でいれると美味しい
  • イギリス風の紅茶が飲みたければ硬水でいれる
  • 渋みが抑えられるから紅茶は硬水でいれたほうが良い

このような話を聞いたことはありませんか?

ティークラブにもお問い合わせをいただくことがあります。

「紅茶は硬水でいれたほうが良いと聞きますが、ティークラブでは軟水をすすめています。どうしてでしょうか?」
「イギリス帰りの娘が“紅茶の味が違う!”と言います。茶葉が違うのか?水が違うのか?いれ方なのか?」
など…

それに対して

「家の水が硬水だから紅茶が美味しくない。どうすればいいですか?」というお声をいただくこともあります。

はたして、硬水で紅茶をいれるのは良いのでしょうか?悪いのでしょうか?

硬水でいれた紅茶

中硬水でいれた紅茶

中硬水(硬度100~180mg/L程度)で紅茶をいれると、素材の持ち味が引き出されにくくなり、渋みが和らぎます。

紅茶の色は濃いけれど、渋みが弱い紅茶になります。味や香りも優しい味になります。

これが良いのか?悪いのか?

結局のところ、香りも味も渋みも弱い紅茶をどのように捉えるか?によって答えが決まります。

なお、強硬水でいれた紅茶は、論外です。中硬水(硬度200mg/L以下)でいれた紅茶についてお話していきます。

中硬水でいれた紅茶の良し悪し

中硬水でいれた紅茶は、味や香りも優しいまろやかな味という言い方もできるし、風味の弱い紅茶と言う方もできます。

茶葉の持ち味を引き出した紅茶、香りや味がしっかりと出た紅茶が飲みたい人は、向かないでしょう。軟水でいれた紅茶をおすすめします。

その一方、香りや味、渋味が弱い紅茶が飲みたい人は、中硬水でいれた紅茶は、ありなのかなと思います。おすすめしませんがナシではないですね。

渋い紅茶が苦手な人は、中程度の硬水でいれると良い説

「渋い紅茶が苦手な人は、中程度の硬水でいれると良い」という説があります。

また、セイロンティーのように渋みがシャープな紅茶は硬水でいれると良いという説も。

間違ってはいませんが、ティークラブではおすすめはしていません。

なぜなら、渋い紅茶が苦手なら、渋味の優しい茶葉を選べば良いと考えるからです。

手間をかけていれ方を工夫するよりも茶葉を選び直せば良いのではないでしょうか。

渋い紅茶が苦手な人が紅茶を飲むのか

そもそも論として、「渋味が苦手な人が紅茶を飲むのか?」に行きつきます。

紅茶を飲まない選択肢があるのですから、無理して飲まなくても良いと思います。

とはいえ、コーヒーが苦手、アルコールが苦手、ハーブティーなどの癖があるものは苦手な人が、消去法として紅茶を飲むことがあります。

そのような人は味のしっかりした茶葉ではなく、ライトな茶葉の紅茶を飲めばよいのです。現実的にもライトな茶葉を選ぶ傾向が強いと感じます。自分でもわかっているのでしょうね。

実のことろ、「渋みの弱い茶葉を選ぶ」「茶葉の特徴」を置き去りにした、渋味の出ない紅茶のいれ方は意味がなく、情報先行ではないかと思っています。

許容範囲は中硬水まで

硬水でいれた紅茶は、渋味が抑えられるのは事実ですが、水色が悪く、香りや味は弱まり、えぐみを感じます。

弱硬水~中硬水までは、上記のマイナスを許容できなくもありませんが、中硬水よりも硬度が高い水でいれた紅茶はおすすめできません。

強硬水ではないけど硬水のエビアン(硬度304mg/L)。手に入りやすさや知名度でも一般的な硬水だと思うエビアンでいれた紅茶は、ギリギリOKなのか?アウトなのか?微妙です。個人的にはナシですが、個人差あるのでギリOKなのかな…という感じです。

エビアンでいれた紅茶は、「イギリスで飲んだ紅茶に近い」と言われたりします。けれども、日本人が日本人的な味覚で味わうとミルクティーは許せてもストレートティーは、ナシの人が多いのではないでしょうか。

硬水でいれた紅茶

硬水で紅茶をいれると膜が張る

硬水でいれた紅茶は、水色がよろしくありません。少し時間をおくと膜が張るので、私は見た目だけでも飲む気がしなくなります。

飲み終わる頃には、ティーポットやティーカップに灰汁のような膜がべったり。しっかり洗わないと汚れがつく。私はキレイ好きなので、日頃の3倍くらいしっかりと洗います。手間が増えるのです。

イギリスのティールームのティーポットやティーカップが茶渋で汚れていることが多いのは、この灰汁が一因ではないかと思っています。

硬水でいれた紅茶

濃くいれないミルクティーには光明が

軟水のミルクティー

ティークラブでは、茶葉を1.5倍~2倍にした濃い紅茶にたっぷりのミルクを加えたミルクティーをおすすめしています。そのミルクティーなら軟水が向きます。

ただし、軟水でストレートティーの濃さ(普通の濃さ)のいれた紅茶にミルクティーを加えると香り、味、コクすべてが弱まります。水っぽく薄まったような印象になります。

このミルクティーはイマイチです。

実は、ミルクティーが好きじゃない人は、このタイプのミルクティーを飲んでミルクティーの印象が悪くなっている人が多いです。かなり前の私もそうでした。

対して、中硬水でいれたミルクティーはどうでしょうか?

硬水のミルクティー

ストレートティー濃さの紅茶の場合は、中硬水でいれた紅茶は、「ナシではない」と考えます。意外とイケます。

紅茶の香りは弱まりますが、味やコクは軟水よりいい感じです。香りはミルクを入れると弱まりますから、味を重視すればアリです。

これがイギリスのミルクティーに近いのかな。

微妙なところが、茶葉を増やした濃い紅茶のミルクティー。これに関しては私は軟水が良いと思いますが、人によっては中硬水を選ぶかもしれません。

紅茶に向くのは軟水

結局のところ、紅茶に向くのは「軟水>>硬水」です。

イギリス帰りの人がイギリスで飲んだ紅茶が飲みたいという想いで飲むのでなければ、紅茶には軟水。

コスパもタイパも「軟水>>硬水」。

家の水道水は軟水ならば、そのまま使うか「水道水+浄水器」がおすすめです。

家の水道水が硬水の場合、日本の水道水は硬水と言っても「弱硬水~中硬水」なので浄水器を使えば、大丈夫だと思います。

飲むことがはばかられるような味だとした、すでに浄水器をつかっているか、軟水のボトルドウォーターを買っているでしょう。そういう人は、日頃飲んでいる水をお使いください。

話が長くなりましたが、結論としては、日頃の飲んでいる水、ご飯を炊く水、お味噌汁を作る水を紅茶にも使うことをおすすめします。水だけを飲むときはペットボトルの水、料理は水道水なら水道水で大丈夫です。

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