以前の記事「美味しい紅茶とは?」で、『美味しい紅茶は、味の要素が多いもの。』と言いました。
また、「美味しい紅茶のいれ方とは?」で、『美味しい紅茶のいれ方は、茶葉の持っている味(味の要素)100%引き出すいれ方』だと言いました。
今でもその考えに変わりはありません。
しかし、「美味しい紅茶=味の要素の多い紅茶」を美味しい紅茶のいれ方でいれ、香りや味を100%近く引き出しても、美味しいと感じない人がいます。
紅茶の好みが違う人です。
例えば、軽くて飲みやすい紅茶が好きな人。紅茶に慣れていない人など…。スーパーで売っているティーバッグの紅茶が安いからではなくて「味が好き」だという人もいますから…。
飲み比べをしたら…
私が講師をしている専門学校の授業でもこんなことがありました。
同じ茶葉を使い、いれ方のポイントを変えた3タイプの紅茶を私がいれ、学生に飲み比べをしてもらいました。
一つは、当店の紅茶を正しいいれ方で茶葉の持ち味を100%近く引き出したと思う紅茶。私が美味しいと思っている紅茶。仮にAとします。
他の2つは、何らかのマイナスポイントがある状態でいれた紅茶。上記の紅茶を100点としたら70点くらいの紅茶。BとCとします。この紅茶の味や香りは、スーパーの安価のティーバックよりは上、味も香りもそこそこあります。
学生たちは、BとCの70点の紅茶が美味しいと言いました。Aの100点の紅茶は“濃い”。ちょっと渋い…。
もちろん、私はAが美味しい。BとCは薄い。一つは薄いだけでじゃなく渋みもある。薄くて渋い状態。
実は、学生たちも分かっていたようです。Aが良い紅茶だということは・・。私が「一番良いのはAです」と言うと、「あぁ、やっぱり…」みたいな感じでした。
一番濃いAが良いのだろうと勘づいていたのですが「自分が美味しいと思うものは?」と聞かれたからBかCが良いと答えたと言うことでした。
BとCの紅茶が家で飲んだことのあるスーパーの紅茶より美味しいのも分かっていたようです。味覚が鈍いわけではないのです。
紅茶に慣れていない学生たちにとっては、ティークラブの紅茶の味が100%だと“濃い”ようです。70点くらいが良いのかは分かりませんが、少し軽めが丁度良いようです。紅茶を飲みなれてきたら違った感想になる学生がいると思います。
軽い紅茶が好きなら、軽い茶葉を使う
本当に軽い紅茶が好きなのだとしたら、茶葉自体を替えたほうが良いですね。
軽い紅茶が好きなら、軽い茶葉を選ぶ。コクのある紅茶が好きな人は、コクのある茶葉を選ぶ。
紅茶のいれ方は、茶葉の持ち味を100%引き出すべきです。
茶葉を減らす、蒸らし時間を短くするなどして、茶葉の味を100%引き出さないで軽め=薄めで飲むのは、「もったいない」。
とはいえ、家に遊びに来た友人が軽めの紅茶が好きな場合など、日頃よりも軽い紅茶をいれたいシーンがあるかもしれません。「コクのある紅茶が飲みたい人」と「軽い(薄い)紅茶が好きな人」が同時に紅茶を飲む場合も同じです。
そんな時は、正しいいれ方で普通に紅茶をいれ、カップに注いだ紅茶を湯で割ってください。
コクのある紅茶を軽めに飲む方法
- 基本のいれ方で紅茶をいれる
- ティーカップに紅茶を注ぐ
- 普通に飲む人はそのまま飲む
- 濃いと感じた人は、ティーカップに湯を注ぐ
「飲んでみたら紅茶が濃い。」→「濃いから湯で薄める。」
味噌汁が濃かったら湯を足す。スープが濃すぎたら湯で調整する。同じことです。
注意点は、ティーポットの紅茶で湯で割らないこと。
必ず、ティーカップに注いだ紅茶に湯を注ぎ、濃さを調整してください。
誰にでも簡単にできることですから、頭の片隅にでも置いておいてください。