スコーンづくり「生地をこねる」「生地をこねない」を試してみました。
こんにちは。紅茶専門店ティークラブの堀内芳昌です。
スコーンを作る際にポイントの一つとなるのが「生地をこねる」「生地をこねない」。正しくは「どの程度こねるのがよいのか?」ですね。
絶対的な正解があるわけではなく、好みの範疇ですが、ティークラブ流のスコーンとしてのおすすめの目安を探ってみました。
「生地をこねる」「生地をこねない」だと作業の差が分かりにくいので、「生地を切って重ねる」で比べました。3回切って重ねた生地と8回切って重ねた生地を作り、焼き上げ、くらべてみました。
先に簡単な答えをいうと3回がおすすめ。つまり、こね過ぎないほうがよいということです。
それでは、詳しく見ていきましょう。
スコーンづくり。「生地をこねる」「生地をこねない」の検証方法
- スコーンの作り方「2」フードプロセッサーと手作業の混合で作る
- 作った生地を途中で半分に分ける
- 切って重ねる「3回」と「8回」で比べる
- 同じ時間休ませ、同時に焼き上る
スコーンづくり。切って重ねる「3回」と「8回」で比べる概要
スコーンの作り方「2」フードプロセッサーと手作業の混合で作る。
【材料】四人分(やや小ぶりのスコーン8個分)
- 薄力粉(ドルチェ)・・・140g
- 強力粉(はるゆたかブレンド)・・・60g(61g)
- ベーキングパウダー(アルミフリー)・・・5g
- きび砂糖・・・18g
- 塩(ゲランド)・・・2g
- バター(無塩発酵)・・・50g(49g)
- 全卵・・・40g
- 牛乳・・・40g(43g)
※今回は、強力粉61g・バター49g・牛乳43gになりました。
【作り方】
- 材料はすべて冷やしておく
フードプロセッサーに粉類、砂糖、塩を入れ、10秒ほど回す。バターを入れ、20~30秒回す - 「1」をボールに出し、卵と牛乳を加え、カードなどでザックリと合わせる。カードで塊を切るように、水分の多い部分と粉っぽい部分を馴染ませる。ボールに押し付けるようにまとめる。
- カードで半分に切り、重ねるを3回して、一旦ストップ
- 重さを量り、正確に半分に分ける
- 半分は切って重ねるを3回で終了(ラップに包んだ)
半分はプラス5回、合計8回切って重ねるを行い生地をまとめる(ビニール袋に入れた) - 冷蔵庫で1時間休ませる
- 粉をふったまな板などに生地をのせ、麺棒で2cmの厚さに伸ばす。包丁で4等分に切る
- 生地の表面に卵(分量外・材料の残り)を塗る。紙を敷いた天板に並べ、予熱したオーブン210℃で18分焼く
スコーンづくり。切って重ねる「3回」と「8回」で比べる詳細
スコーンの作り方「2」フードプロセッサーと手作業の混合で作る。
1~3.フードプロセッサーで粉類とバターを合わせ、水分を馴染ませる
バターは薄切りか1㎝の角切りにする。材料はすべて冷やしておく
フードプロセッサーに粉類、砂糖、塩を入れ、10秒ほど回す。バターを入れ、20~30秒回す
ボールに出し、卵と牛乳を加え、カードなどでザックリと合わせる。カードで塊を切るように、水分の多い部分と粉っぽい部分を馴染ませる。ボールに押し付けるようにまとめる
カードで半分に切り、重ねるを3回行い、一旦ストップ
4.重さを量り半分に分ける
重さを量り、正確に半分に分ける
5.半分は作業終了(3回で切って重ねるを行った)
半分は合計8回切って重ねるを行う
半分は切って重ねるを終了(※すでに切って重ねるを3回行っている)(ラップに包んだ)
半分はプラス5回、合計8回切って重ねるを行い生地をまとめる(ビニール袋で包んだ)
6.冷蔵庫で生地を休ませる
冷蔵庫で約1時間生地を休ませました。
7.粉をふったまな板などに生地をのせ、麺棒で2cmの厚さに伸ばす。包丁で4等分に切る
粉をふったまな板などに生地をのせ、麺棒で2cmの厚さに伸ばす。ルーラーをあて同じ厚みにしました。
抜型で抜くと抜いた残りの生地が出る。今回は残りの生地を出したくなかったので、包丁で4等分に切りました。
8.210℃のオーブンで18分焼く
生地の表面に卵(分量外・材料の残り)を塗り、紙を敷いた天板に並べ、予熱したオーブン210℃で18分焼きました。
3回切って重ねるを行ったスコーン。膨らみが少ない。外(上下)はサックリ。
3回切って重ねるを行ったスコーン。膨らみが大きい。形がややゆがむ。ふんわりしている。
スコーンづくり。「生地をこねる」「生地をこねない」=切って重ねる「3回」と「8回」で比べた感想
3回切って重ねる=こねが少ないほうがザクッリ、サックリして、いい感じ。個人的には断然こねない派です。ただし、8回切った=こねた生地のふんわりが好きな人もいるでしょうね。
4回5回ならどうなんだ?12回なら…。そこまでは検証していないので、過去に作った時の経験則になりますが、これ以上こねる(切って重ねるを増やす)と中側がもさっとしたホットビスケットのような食感近づくでしょう。外側もやや固くなるでしょう。ですが、このレシピは水分が少なめなので多少こねても、そこそこOKな感じですね。
水分の行き渡り加減や温度にもよりますが、3~5回くらい切って重ねるを行うのがおすすめです。5~6回くらいが境界線で、それ以上になるとこね過ぎの印象です。
今回の8回切って重ねる=たくさんこねても悪くはありません。決してダメではありませんが、手間は増えるのに美味しくなるわけではありませんから、それなら3回(~5回)くらい切って重ねる=こね過ぎないほうがよいのではないでしょうか。
こねる・切って重ねるの目安
- こねるの目安
- 多少ムラがあるけど、生地がまとまりなめらかになるくらい。切って重ねるよりは多少こねた状態になっている。
ムラがなくなり、キレイになめらかにまとまったらこね過ぎ。
- 切って重ねるの目安
- ボロボロした生地が一まとまりになるくらい。
3~5回くらい切って重ねるをしたくらい。
スコーンづくり「生地をこねる」「生地をこねない」まとめ
3回切って重ねる=こねが少ないほうがおすすめです。3~5回くらいがよいと過去の経験も含めて考えています。
8回切って重ねる=たくさんこねるも悪くはありません。悪くはないけど、手間が増えるのに美味しくならないのなら増やす必要はないです。ただし、ふんわりが好きな人は、多少こねても、少し多めに切って重ねるを行っても大丈夫です。
味の好みや作る楽しさや簡単かなどは、個人差があるので、ある程度はお好みで大丈夫です。
スコーンに関しは、作り方よりも材料の差や食べ方の違いが美味しさへの影響が大きいですね。
シンプルなレシピなので、材料の影響は本当に大きい。けれども、好みがありますから、材料はお好きなものを使ってください。
食べ方は、ほんのり温かい~冷めたてで食べる。焼き立てすぐは食べない。冷めきっていたら温め直す。ほんのり温かいスコーンをクロテッドクリームとジャムと一緒に食べるのがおすすめです。もちろん、美味しいミルクティーもお忘れなく。
→ スコーンミックス粉
スコーンを4つの作り方で作りました
スコーン再考。もう少し続けます。よろしければ、また見に来てください。