『茶葉から紅茶をいれてみたい』と思っても「ハードルが高い」と感じる人もいるでしょうね。
茶葉からいれる紅茶は「マナーやお作法が小難しい」「いれ方が難しい」「おしゃれなもので縁遠い」「マダムの飲みもの」などのイメージを持って、敬遠される方が少なくないようですからね。
間違ってはいないのですが、大部分は誤解です。馴染みのない方は、どーしてもネガティブなイメージが先行してしまうようなんです。
実は、慣れてしまえば、なんてことはないんですよ。
紅茶のいれ方は「茶葉にお湯を注ぐだけ」ですから。
テクニックや特別な技などは全く必要ありません。簡単なポイントさえ守れば、プロがいれても初心がいれても同じ味になります。淹れ方で味が変わるコーヒーとは全く違うんですよ。
一方で、「抽出方法を極めたい」「紅茶のいれ方の超絶プロを目指したい」などの人は、ガッカリするでしょうね。腕の見せ所がないのですから…。
抽出方法を極めるとか腕を磨くなどではなくて、シンプルに美味しい紅茶を飲みたいと考える人は、この先を読んでいただければ嬉しいです。
マナーなどの“ちょっと小難しそうな話”は別の機会にするとして、今回は紅茶の【いれ方以前編】として、紅茶をいれるために必要な茶葉や道具についてのお話しをしますね。
茶葉から紅茶をいれるために必要なもの
- 紅茶の茶葉
- 湯を沸かす道具(やかん・電気ケトルなど)
- 紅茶を抽出する道具(ティーポット・急須など)
- 茶葉を量る道具(ティーメジャー・ティースプーン・秤など)
- 紅茶を飲む器(ティーカップ・コーヒーカップ・マグカップなど)
紅茶の茶葉
わざわざ言うまでもありませんが、茶葉から紅茶をいれるのですから、紅茶の葉は絶対必要ですね。
最も重要なのは茶葉です。
茶葉の種類は、好みのもので構いません。
実は、「美味しい紅茶は、茶葉が9割」といっても過言ではありません。
紅茶のいれ方のテクニックや特別な技はないといった通り、紅茶の味を左右するのは、ほぼほぼ茶葉です。
茶葉はとっても重要ですが、紅茶は嗜好品です。味の好みは人それぞれ。お手持ちの紅茶がある人は、まずはそちらを使ってみましょう。これから茶葉を買う人へのヒントは後半でお話します。
鮮度が重要
美味しい紅茶を飲みたいのなら「鮮度」は重要です。
賞味期限を気にするのは当たり前として、開封してからの期間が短い茶葉を使いましょう。
美味しく飲むことができる目安は、開封後1か月程度。2か月3か月経っても飲むのは問題ありませんが、少しずつ風味が衰えていることは知っておいてくださいね。いつ開けたのか分からないような茶葉は、味・風味の面ではよろしくありませんよ。
脅かすようなことを言ったかもしれませんが、1か月2か月飲めるのですからコーヒーや緑茶よりはるかに長いですね。恐れることはありませんよ。
湯を沸かす道具
湯が沸かさせれば何でもよいのですが、使いやすさ中でも湯の注ぎやすさを考えると「やかん」がベストで「電気ケトル」がベターでしょう。どちらでも構いません。
紅茶を抽出する道具
紅茶を抽出する道具は、茶葉の次の必須アイテム。ティーポットが絶対に必要です。
急須やコーヒーサーバーなどで代用することもできますが、慣れてない人こそ、正しい道具を使うことで簡単になるのです。
例えば、鍋で湯を沸かして、急須で抽出する場合は、正しい手順に以外にも気を使わなければいけないポイントが出てきます。無駄な手間やいらないテクニックが必要になり手間が増えるだけです。
丸い(球状)のティーポットがおすすめ
ティーポットはピンからキリまでありますが、とりあえずは丸い(球状)のティーポットであればOKです。
急須やコーヒーサーバーでも球状のタイプでしたら代用できますが、円柱のような形や底が広いものは向いていません。
これから紅茶を始める人や茶葉の違いが分からないような人は、ガラス製ティーポット一人用をおすすめします。
茶葉を量る道具
茶葉を量る専用の道具のティーメジャー。カップに添えるスプーンとかねて使えるティースプーン。どちらを使っても構いませんが、適度に正確に量りましょう。デジタル秤を使っても構いません。
ティーメジャーやティースプーンで目分量で量るか、デジタル秤で正確に量るのかは、好みに応じてどちらでも構いません。
デジタル秤で量りたくない方は、ティーメジャーをおすすめします。ティースプーンよりもすくう回数が少ないためブレが少ないからです。
紅茶を飲む器
飲む器によって紅茶の香りや味の感じ方が変わってきます。本来はなんでも良いのでありませんが、とりあえずは何でもOKです。
ティーカップが理想ですが、コーヒーカップでもマグマップでも湯のみでも構いません。
あると便利な道具:茶漉し
ガラス製ティーポット一人用は、蓋に茶こしが付いているので、茶漉しはなくても大丈夫です。
とはいえ、蒸らし終わったら別のポットに移し替える場合やアイスティー、鍋で煮出して作るチャイなどの時は茶漉しが必要になります。
また、陶器のティーポットで紅茶を抽出する場合は、紅茶を注ぐ時に茶漉しを使うことになります。
茶漉しはあると便利な道具というよりも、限りなく必須に近いアイテムです。
紅茶の道具を何も持ってない人へ
素敵な道具を添えるのは素晴らしいことです。使うだけで気分が上がる道具は、ぜひとも使いたいものです。
ただし、高価だったり希少だったりして“もったいなくて使えない”道具はベテランになってからで十分です。日常で気軽に使いやすい道具から揃えましょう。
また、見た目が可愛いけど使いにくい道具があります。雑貨屋さんや安価なショップに多いです。一見可愛いんですね。しかしながら、紅茶に慣れてない人は手を出さないほうが無難です。扱いにくいからです。
紅茶に慣れていない人は、シンプルで使いやすい道具から始めることをおすすめします。まずは、ガラス製ティーポット300cc用とティーメジャー(デジタル秤を使う人は不要)。合わせて茶漉しがあれば、ひとまずは大丈夫でしょう。
余裕があれば、キッチンタイマーや砂時計、ティーカップ、陶器などのティーポットが別にもう一つあると便利ですね。
これから紅茶葉を買う人は…
茶葉から紅茶をいれてみたい!と思ったけど家に紅茶葉がない。紅茶を買おうと思ったけど紅茶は種類がありすぎて分からない…。
などの人は、次のポイントを参考に「産地茶・ピュアティー」「ブレンドティー」「フレーバーティー」から大雑把な好みを見つけてみてはいかがですか。
産地をブレンドしていないピュアな紅茶
- 風味豊かな紅茶
- ナチュラルな香りや味の紅茶
- 癖がなく飲みやすい紅茶
- コクのあるミルクティー
- 風味の良いミルクティー
を飲んでみたいと思っている人
産地をブレンドしていないピュアな紅茶がおすすめです。
ピュアな紅茶は、茶のエキスや旨味が多く、香りが良く味わい深い紅茶です。単純に美味しいといってもよいのですが、エキスや旨味が多い茶葉ほど渋みやコクあるため、アッサリが好きな人には強いと感じるかもしれません。
あっさりとした軽めの紅茶が好きな人はブレンドティーがよいかもしれませんね。
ブレンドティー
- 味や香りが強くない紅茶
- 無難で飲みやすい紅茶
- アッサリしたストレートティー・ミルクティー
がよいかなぁと思っている人
ブレンドティーがおすすめです。
ブレンドティーは飲みやすく無難なものが多いです。積極的に紅茶が好きではなくて、コーヒーが苦手だから紅茶を飲むような人は、ブレンドティーが向いていたりもします。
フレーバーティー
- 人工的であっても香りが強い紅茶が飲みたい人
- 紅茶は味よりも香り重視の人
フレーバーティーがよいかもしれません。
紅茶の種類の違いが分からない人は…
紅茶を飲んでいるけど、紅茶の銘柄や種類による味の違いが分からないという人
上記の説明を読んでも、ちょっとよく分からない…という人
特長の違う「ダージリン」「アッサム」「ディンブラ」「アールグレイ」を飲んでみてください。
個性が違う3(~4)種類の紅茶「ダージリン」「アッサム」「ディンブラ」(アールグレイ)を飲んでみれば、紅茶の種類(銘柄)によって味や風味が違うことに気が付くからです。何度か飲んでみれば、好み紅茶のタイプが見えてくるはずです。
なお、アールグレイはフレーバーティーで好き嫌いがはっきりと分かれるので外しても構いません。
上記の3(~4)種類の紅茶をすべて気に入る人がいるでしょう。
特定の銘柄の紅茶を気に入る人もいるでしょう。
中にはすべてイマイチだと思う人もいるはずです。
好みですから、どのタイプでもいいと思います。
全てを苦手だと思った人は、無難なブレンドティーかよいでしょう。または、紅茶が苦手なのかもしれません。
好みの茶葉を見つけよう
紅茶は嗜好品ですから、どのような紅茶が好きでもOK。高価なものでも安価なものでも、ナチュラルでもフレーバーでも、ティーバッグだってOKです。好きな紅茶を飲みましょう。
とはいえ、紅茶をそれなりに飲んでいる人でも、自分の好みが分かっていない人は思いのほか多いです。
「意識して飲んでみたら好みが違った」「思っていたのと味のイメージが違っていた」などの声を聞くことが多いからです。紅茶ってイメージ先行の人が案外多いようなのです。
「美味しい紅茶を飲みたい」と思うのなら、まずは自分の好みの茶葉を見つけることが大切。あなたにとっての美味しい紅茶は、あなたが好きな味の紅茶だからです。何度でもいいますが、「紅茶はいれ方では美味しくなりません」「茶葉が決め手」です。
まずはいろいろ飲んでみるのもいいと思います。
お気に入りの茶葉・鮮度の良い茶葉と手軽な道具があれば、誰も簡単に美味しい紅茶はいれられます。恐れることなくチャレンジしてみてください。