ダージリンティーは、有名な紅茶の銘柄の一つです。紅茶に詳しくない人でも、名前くらいは聞いたことがあるかもしれませんね。
実はダージリンティー、有名でありながら意外と知られていないことが多く、単なる商品名だと思っている人も多いようなのです。
そんなダージリンティーについて少し詳しくお話ししますね。
ダージリンティーとは?
インド(国)・ダージリン(都市)にある茶園で収穫した紅茶がダージリンティーです。
ダージリンという生産地(茶葉の栽培~収穫~加工)の名前がついた紅茶なんです。
お米に例えると「新潟県魚沼産コシヒカリ」のようなものです。※紅茶の場合はコシヒカリにあたる品種は表現しません。
生産地の名前の付いた紅茶なので、他の生産地で作ったダージリンティーはありません。例えば、アッサム産のダージリンティーとかスリランカ産のダージリンティーはないんですね。
ダージリンティーは3タイプある
- 旬の茶葉・季節の新茶100%
- ダージリン茶葉100%ブレンド
- ダージリン茶葉+他の茶葉のブレンド
ダージリンを細かく分ければキリがありませんが、大きく分けると上記の3タイプに分けることができます。
それぞれについてこの後お話しますねが、一般的に売られているダージリンティーの多くは「3」のダージリン茶葉+他の茶葉のブレンドです。紅茶専門店以外のダージリンティーは、ほとんどが「3」のブレンドだと言ってもいいくらいです。なので、ダージリン茶葉100%のダージリンティーは意外と飲まれていないかったりするのです。
旬の茶葉・季節の新茶100%=ダージリンシーズンティー
ダージリンで栽培した茶葉の中でも「旬の時期」に収穫した新茶のみを紅茶にしたものがあります。
収穫時期をブレンドしないだけではなく、収穫日や収穫した茶園も混ぜないシングルオリジンとして販売されるものと旬の時期の茶葉をブレンドした商品があります。
ティークラブでは季節の新茶の意味を込めて「ダージリンシーズンティー」と呼んでいます。収穫日や収穫茶園をブレンドしないシングルオリジンの茶葉を扱っています。
収穫時期に応じて下記の3シーズンを扱っています。
- ファーストフラッシュ:春摘み新茶
- セカンドフラッシュ:夏摘み新茶
- オータムナル:秋摘み新茶
収穫した日や収穫した茶園(生産者)をブレンドしない「その日、その茶園で収穫されたピンの茶葉」だから茶葉の個性(本来の持ち味)を存分に楽しむことができます。
他の紅茶にはない鮮烈で芳醇な香りと深みのある味わい、長い余韻を楽しむことができます。
ダージリン茶葉100%ブレンド=ピュアダージリンティー
ダージリンで収穫した茶葉のみのブレンドした紅茶。100%ダージリン茶葉の紅茶です。
ティークラブではダージリンのみの混じりっけない紅茶の意味を込めて「ピュアダージリンティー」と呼んでいます。
収穫時期や収穫した茶園さまざまなクオリティーの茶葉をブレンドしたダージリン100%の紅茶です。
ダージリン茶葉だけを混ぜるのですが、ブレンドすることにより際立った個性は弱まり、飲みやすさやまろやかさ、厚みが生まれます。キレが良くスッキリとした味わいになります。
ダージリン茶葉+他の茶葉のブレンド
ダージリンティーという「商品名」の紅茶の中には「ダージリン茶葉+他の茶葉」のものがあります。
紅茶専門店以外のスーパーなどで売られているダージリンティーは、ほとんどがこのタイプです。安価なティーバッグはほぼこのタイプです。ダージリンティーの茶葉は高価だからです。
ダージリンはあっさりして飲みやすい紅茶、普通の紅茶、と思っている人は、このタイプのダージリンを飲んだことがある可能性が高いです。ダージリンティーはよい意味で個性があるからです。あっさりとした普通っぽい紅茶とは言い難いのです。
なお、ティークラブでは、このタイプの紅茶は扱っておりません。
ダージリンティーの味や香りの特徴
ダージリンシーズンティーは3つの季節にそれぞれ特徴があり、ピュアダージリンティーにはブレンドした味わいがありますが、ダージリンティーに共通する特徴をお話します。
【香り】
若草や森林のような爽やかな草木の香り・青っぽい、緑っぽい香り
ミントやレモンバームような爽快な香り
花のような華やかな甘い香り
茶の甘い香り
甘く香ばしい香り
【水色】
黄金色~オレンジ色
他の紅茶より浅い色合い
【味】
繊細で複雑味がある
甘く香ばしく旨味が多い
緑茶やウーロン茶のようなニュアンス・「茶」を強く感じる
ほどよく渋みがある
余韻が長い
ストレートティーで本領発揮
ダージリンティーは、何も入れないストレートで飲んでこそ繊細な味わいや豊かな風味を楽しむことができます。
ミルクを入れてしまうとダージリンティーの繊細な香りや味わいが弱まります。ダメではなくて、もったいない。
砂糖を入れるのもナチュラルな茶の甘みと渋みのバランスを崩します。やはり、もったいない。
「何も足さない、何も引かない」というCMがありましたが、ダージリンティーは何も足さずに、何も引かずに茶葉の持っている味わいをすべて丸っと味わうのがおすすめです。
ダージリンティーは個性豊か
ダージリンティーは、ダージリンで収穫された紅茶です。作り手の努力とインド・ダージリンの気候風土がダージリンティー独特の味わい大きな影響を与えています。
繊細で風味豊かな味わいは、他の紅茶とは一味違った個性を持っています。
有名銘柄ゆえに「普通」「一般的」と思っている人もいますが、実は案外個性的なのです。ディンブラなどのいわゆる「紅茶らしい紅茶」とは一味違う独特の味わいがあります。ただし、個性的といっても癖があるわけではありませんので、誤解しないでくださいね。
よい意味での豊かな個性があります。とても味わい深い紅茶です。
「ダージリンティーッて名前は知っているけど、じっくり味わったことがなかったかも…」という方は、ぜひ一度「ダージリンシーズンティー」か「ピュアダージリンティー」を試してみてください。