紅茶は大きく分けると「ピュアティー」と「ブレンドティー」に分類できます。
「フレーバーティーは?」と思ったかもしれませんが、フレーバーティーのベースになる茶葉はピュアティーかブレンドティー。まったく別の茶葉があるわけではありません。
フレーバーティーは、ピュアティーかブレンドティーの一部になるのですが、フレーバーティーは別ジャンルとして確立していると言ってもよいくらいに認知されています。なので、別枠としてまたの機会に紹介しようと考えています。
今回は、フレーバーティーを除いた「ピュアティー」と「ブレンドティー」の特徴を説明します。
ピュアティーとは?
ピュアは、「純粋」とか「混じりっけがない」などの意味。紅茶の場合は、茶葉の収穫地を混ぜていない(ブレンドしていない)茶葉をピュアティーと呼んでいます。
収穫した産地を混ぜない茶葉なので「産地茶」とも呼ばれ、収穫された産地名を冠にしています。
「インド・ダージリン」や「スリランカ・ウバ」などが代表格。
日本茶に例えると「鹿児島の知覧茶」とか「埼玉の狭山茶」のような感じ。コーヒーで言う「シングルオリジン」に近い感覚です。
紅茶は農作物
紅茶は農作物です。
収穫後に摘み取った「お茶の葉」を加工して「紅茶」にするため農作物というイメージはないかもしれません。
野菜や果物と同じとはいいませんが、お米などに近いイメージの農作物だと言っても過言ではありません。加工すると言っても果物のジャムやジュースとは別物ですから。
農作物ですから、産地によってその味や風味は変化します。
また、産地によってクオリティーシーズンと呼ばれる良質な茶葉のできる時期(旬)があります。
混じりっけのない茶葉本来の味や香り、そして、生産地の気候風土や“旬”、生産者の“想い”などを含めて楽しめるのがピュアティーの魅力です。
当店ティークラブの紅茶で、“ピュアティー”は
- ダージリンファーストフラッシュ(インド・ダージリン産・春摘み・単一茶園)
- ダージリンセカンドフラッシュ(インド・ダージリン産・夏摘み・単一茶園)
- ダージリンオータムナル(インド・ダージリン産・秋摘み・単一茶園)
- ピュアダージリンティー(インド・ダージリン産・収穫時期、収穫茶園ブレンド)
- アッサムCTC(インド・アッサム産・収穫時期、収穫茶園ブレンド)
- ウバ(夏摘み新茶・単一茶園)
- ディンブラ(春摘み新茶・単一茶園or収穫茶園ブレンド)
- キーマン(中国・安徽省・祁門産・収穫時期、収穫茶園ブレンド)
『ブレンドティー』
ブレンドティーは、いくつかの生産地や収穫時期の違う茶葉をブレンドして作られた茶葉。
インド産の茶葉をブレンドしたものもあれば、スリランカと中国の茶葉のブレンドなど、茶葉の配合によって無数のブレンドティーが作られています。収穫年も混ぜられるのが一般的です。
ブレンドティーのメリットとデメリット
紅茶は農作物ですから、天候などの影響により収穫年度、収穫する地域よって品質の差が出ます。また、商品化されれば需要と供給のバランスや流行などが価格に影響を及ぼします。
そのようなバラつきや不安定さの解消にブレンドは大いに役立ちます。ブレンドすることで品質や価格を安定させられるからです。こちらは「ホワイト」な表現。
「ブラック」な面。ブレンドには、茶葉の欠点隠し、古い茶葉の使用、安価な茶葉を作るという役目があります。あまり表には出てきませんが、このような側面があるのは事実です。
デパート、スーパーなどで販売される紅茶の多くはブレンドティー
イングリッシュブレックファスト、オレンジペコ、ウエディングなど産地の冠が付いていない紅茶はブレンドだろうというのは、なんとなく気が付くとは思います。
しかし、ダージリン、アッサム、ウバなど一見「ピュアティー=産地茶」のように感じる紅茶もブレンドティーであることが多いのです。
例えば、ダージリンという商品名であっても「ダージリン茶葉80%と他の茶葉20%」であったり、ウバという商品名でも「ウバ茶葉60%と他の茶葉40%」という商品があるということ。このようなこともブレンドのブラックな面と言えなくもない気がします。
当店では、産地をブレンドした紅茶は扱っていません。
ちなみに、フレーバーのアールグレイはインド・ニルギリ産。キャラメルCTCはインド・アッサム産の茶葉です。
最後に
ピュアティーとブレンドティーは、どちらが良い悪いということではありません。紅茶は、このような区分けができますよ。という話です。
私は、ピュアティー(産地茶)が茶葉本来の味や香りを楽しむことができるのでよいと思っています。ですから、ピュアティーをおすすめしています。けれども、紅茶は嗜好品ですから、飲んでみて好きか嫌いかを決めればよいことです。