アイスティーにむく紅茶の種類・むかない紅茶の種類
少々乱暴な言い方をすれば、「アイスティーにむく紅茶の種類・むかない紅茶の種類はありません。」
ホットティーで好みの紅茶がアイスティーにもむきます。「むく」というよりは、ホットティーで好きな茶葉のアイスティーがおすすめです。
ウバは渋みが強いので「ホットティーはいいけど、アイスティーは飲みにくい」ということもできます。アールグレイは「ホットには飲まないけど、アイスティーはアールグレイ」という人がいます。一部の茶葉はホットとアイスで好みが分かれる場合がありますが、結局のところ好みの問題になります。
「アイスティーには“この茶葉”」「アイスティー用の茶葉」というのは、多くの場合が販売戦略や他人の受け売りを言っていると思ってもらってもいいくらいです。
温かい時に美味しい紅茶は、ぬるくなっても、冷たくしても美味しいものがほとんどだからです。
誤解しないで欲しいのは、販売戦略が悪いと言っているのではありませんよ。アイスティー用茶葉などと示すことで買いやすくなる人もいますからね。アイスティー向きの茶葉、アイスティー用の茶葉が悪いのではなく、言うほど向き不向きはありませんということです。
アイスティーは、レシピ通りにやれば、どんな茶葉でも作ることができます。茶葉の特徴によって、多少の向き不向きがあるので茶葉の種類に詳しくない人や茶葉の好みがハッキリしない人にアイスティーにおすすめの紅茶の種類を紹介します。...
アイスティーの濁りと味わい
- タンニンが多い茶葉はアイスティーにむかない
- タンニンの少ない茶葉がアイスティーにむいている
このような意見を目や耳にしたことがあるかもしれません。
「半分正解」と考えます。
アイスティーを作った時に起こる「紅茶が冷えると濁る問題」。アイスティーが濁るという点では、概ね「正解」です。しかしながら、アイスティーに求めるのは「濁らない」だけではないと考えるからです。アイスティーの味を考えれば、タンニンが少ないことだけで選ぶのは少し違うと思うのです。
- タンニンが多い茶葉はアイスティーが濁りやすい
- タンニンの少ない茶葉はアイスティーが濁りにくい
が正しいですね。
その一方で
- タンニンが多い茶葉のアイスティーは味がしっかり
- タンニンの少ない茶葉のアイスティーは味が弱い
と言えます。
ティークラブの紅茶や当店と似たような紅茶が好きな人にとっては、タンニンが少ない茶葉のアイスティーは味の面では物足りないと感じる人が多いと思います。
そうは言っても、濁りは避けたい。痛しかゆしですが、タンニンが少ない茶葉がアイスティー向きは言い過ぎではないでしょうか。
タンニンとアイスティーの濁り
タンニンが多い紅茶は、アイスティーにすると濁りやすく、水色のキレイなアイスティーが作りにくい。対して、タンニンが少ない茶葉は濁りにくい。これは間違いありません。
濁りにくさでいえば、タンニンが少ない茶葉を使ったほうがいいです。
スーパーで売られている茶葉などは代表的ですね。スリランカなら「キャンディ」。インドなら「ニルギリ」の中で軽めのものなどが濁りにくいです。また、中国紅茶はタンニンが少なく濁りにくい茶葉が多いです。
とはいえ、タンニンが多い茶葉でも濁らないアイスティーはできます。濁りやすいのですが、できないわけではありません。
タンニンとアイスティーの味
- タンニンが少ない茶葉は、濁らないけど、味が軽い
- タンニンが多い茶葉は、濁りやすいけど、味がしっかり
日頃からタンニンが少ない軽い茶葉の紅茶を飲んでいる人は味が軽くてもよいでしょう。このページを読んでいる方はしっかりした味わいの紅茶が好きな方が多いのではないでしょうか。しっかりした味の紅茶が好きな人にとっては「濁らないけど、味が薄いアイスティー」ではイマイチだと思うんですよね。
味わい深いアイスティーが飲みたいのでしたら、タンニンが多い茶葉を使ったほうがよいです。
というよりも、日頃飲んでいる紅茶葉を使えばいいのです。好きな味の紅茶を飲んでいるのですから、アイスティーも同じ茶葉を使うのが自然でありませんか。
ファーストフラッシュが好きなら、ファーストフラッシュをアイスティーにすればいいのです。アッサムも同じです。タンニンが少ない軽い茶よりも断然美味しいし、何より自分好みです。
アイスティーはレシピ通りに作る
ホットティーは少々適当でも大丈夫です。だいたい合っていれば大きな問題はありません。
対してアイスティーは、茶葉が1g多かったら、蒸らし時間が30秒過ぎたら、注意が必要です。問題ないかもしれませんが、濁り気味になるかもしれません。
ちょっと面倒かもしれませんが、アイスティーはレシピ通りにキッチリ作る。これを守れば、世間一般にいうほど濁らないです。
ただし、水質や茶葉の質によっては、レシピ通りに作っても濁る場合があります。環境によることなので、残念ながらどーしようもありません。浄水器や茶葉の見直しをおすすめしますが、経費のかかることですからね。できる範囲で考えてみてください。
紅茶は保存しない
紅茶は保存しない。できるだけ早めに飲む。
「アイスティーが濁る」が親の仇のようにいわれますが、実はホットティーだって時間が経てば濁ります。アイスティーが濁るのではなくて、紅茶は時間が経てば、そして冷えれば濁るのです。
また、茶葉から作るアイスティーは、市販のペットボトルの紅茶のように冷蔵庫で保存ができません。
冷蔵庫に入れておいて、いつでも冷たい紅茶を飲むことは、残念ながらできないのです。これをやって「紅茶が濁る!」「濁らないようにするのは?」というのは厳しいです。
紅茶は作ったらなるべく早めに飲みましょう。もし、飲み切れない場合は、室温より冷やさない。そして、なるべく早く飲む。
このようにすれば、アイスティー用の茶葉とか夏用の茶葉などを用意しなくても、一年中好みの紅茶を飲むことができます。好きな味の紅茶が一年中飲めて、茶葉の鮮度も保てる。一石なん鳥かではありませんか。