紅茶をいれる時の湯の沸かし方や温度に関して
世間一般では、湯の温度を重要ポイントとして語られることが多いですね。
「紅茶の味は湯温で決まる」「紅茶には95℃の湯がベスト」「グラグラ煮立たせるから香りが飛ぶ、渋みが出る」のようなことが実しやかに囁かれています。
湯温が重要なのは間違いないのですが「沸いていない湯を使う」などがなければ、それほど重要なポイントではありません。
例えば、茶葉の質が悪ければ、湯の温度をどれだけ意識しても美味しい紅茶になりません。分量を間違えたり、ティーポットを使っていなかったり、蒸らし時間が適切でなかったら「湯の沸かし方や温度」を気にしても意味がないからです。
とはいえ、「紅茶をいれる時の湯の沸かし方や温度に関して」気になっている人が多いようなので、少し掘り下げますね。
紅茶をいれる湯の温度
- 95℃の湯でいれた紅茶
- 98℃の湯でいれた紅茶
- 100℃の湯でいれた紅茶
私の経験則ですが、このくらいの差なら、ほとんど人が味の違いに気が付きません。
私は専門学校で紅茶の授業をしているのですが、この実験をした時の学生達の声は「言われなければ分からない…何が違うの?」という反応です。何年もやっていますが、毎年こんな感じです。
差があるとしても100点と98点くらいの差。このくらいの差は日常茶飯事です。同じように紅茶をいれたつもりでも、ちょっとしたことで微差は置きます。そして、こんな差は気にするようなことではありません。
それ以前に大きな問題があります。95℃や98℃の湯を作るのが難しいことです。
ピークに沸騰したら100℃とすれば、それは簡単なのですが、蓋を開け温度計で計って沸騰超直前の95℃とか98℃の湯を作って注ぐのは、現実的にかなり難しい…。“無理っ”て言いたい。
温度計で計らないで、沸騰超直前の湯で紅茶をいれることはできますが、沸騰直前を見極めて紅茶をいれるのは思いのほか難しいのです。沸騰しそうになったら見はってなければいけませんからね。
完全に沸騰した湯を作ることは誰にでも簡単にできます。
何か別のことをしていても沸騰には気が付くはずですし、少しくらい沸かし続けても問題はありません。
沸騰直前の湯、95℃の湯でいれた紅茶が、完全に沸騰させた100℃の湯でいれた紅茶より確実に美味しいのなら難しくてもそうすべきです。しかし、そんなことはないと考えるので、誰にでも簡単にできる沸騰させた湯で紅茶をいれることをおすすめします。
紅茶をいれる湯の沸かし方
- 汲み置きの水を沸かす
- 二度沸かしの湯
- 沸騰直前の湯
- ピークに沸いた湯
- 10分くらい沸かし続けた湯
この湯で紅茶をいれると、微妙には違いが出ます。大きな差ではありませんが、95℃の湯・98℃の湯・100℃の湯でいれた紅茶よりは差があります。
とはいえ、飲み比べをした人の感想は「言われなければ分からない」「なんとなく違う気がする」「これとこれはハッキリと違う」という感じです。違いに気付く人もいれば、気付かない人もいます。
とはいえ、汲み置きの水、二度沸かし、沸かし続けた湯は、少し劣ります。劣るのは確かなので、避けてください。95℃の湯や98℃の湯を沸かすのと違って、誰でも避けることが簡単にできることです。
美味しい紅茶をいれるためには、湯の温度や沸かし加減を気にするよりも「汲み立ての水を沸かし、沸き立ての湯を使う」ことです。誰にでもできる簡単なことが美味しい紅茶をいれる近道です。