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スコーンの作り方「外サク中フワ」「ザクザク」「柔らか」を分けるポイント

こんにちは。紅茶専門店ティークラブの堀内芳昌です。

スコーンは同じ配合・同じ作り方(ラビングインメソッド・一般的な作り方)でも、作り方のポイントで「サクサク(外サク中フワ)」「ザクザク」「柔らかめ」を作り分けることができます。

ポイントは「生地の温度」と「バターの状態」。そして、「なるべくこねない」。このポイントを意識すれば、同じ配合でもザクザクにも、外サク中フワにも、柔らかめにもできます。

まずは、「サクサク」「ザクザク」「柔らかめ」の違いをお話しします。

サクサク・ザクザク・柔らか

  1. サクサク=外はサックとし、中はふんわり。理想の状態。多少ザクザクに近くなるのは許容範囲。
  2. ザクザク=サクサクに比べ外も中も固め。厚焼きクッキーに近いイメージ。悪くはない。
  3. 柔らかスコーン=外のサクサク感が弱く、全体的に柔らかい。3つの中ではイマイチ。

1がよい
1と2の間はOK
2は許容範囲。というか2もありだと思う。3よりは断然よい
2と3の間はギリ許せるが3はイマイチ。

しっとり柔らかくケーキのようなスコーンを好む人もいるようですが、個人的にはスコーンとしては好みではありません。柔らかいスコーンは“私が考える”スコーンらしくないのもありますが、柔らかいのに口どけが悪いのが好みではない理由です。

「生地の温度」と「バターの状態」

  1. 生地が冷たい(べたつかない)・バターの粒がない=外サク中フワ
  2. 生地が冷たい(べたつかない)・バターの粒がある=ザクザク
  3. 生地が冷たくない(べたつく)・バターの粒がない=柔らかい

生地の温度・生地の状態・バターの状態によってスコーンの焼き上がりが変わってきます。

理想の状態であるサクサク「外サク中フワのスコーン」をメインに説明しますね。

スコーンの作り方「外サク中フワ」「ザクザク」「柔らか」を分けるポイント

外サク中フワのスコーン

外サク中フワのスコーンにするためには『バターと粉をしっかりと馴染ませる。』、『生地の温度を上げない。』この2点が重要です。

  • バターと粉を馴染ませる
  • 生地の温度を上げない

バターと粉を馴染ませる

スコーンを作るに「粉とバターを馴染ませて粉チーズような状態にする」作業があります。

この時にバターの粒が残らないようにしっかりと混ぜ合わせる。作業時に手の熱や室温の影響でバターが溶けだしベタつかないようにする。

これが第一段階のポイントです。

バターの粒は多少は残ってもよいのですが、米粒がプチプチと入っているような感じだと残り過ぎ。これだとザクザクになります。

つまり、粉とバターを馴染ませて粉チーズような状態にする作業の際に『バターの粒が残っているとザクザク』『バターと粉が馴染んでいるとサクサク』となります。ともに生地の温度は低くベタつかないのが条件です。

スコーンの作り方「外サク中フワ」「ザクザク」「柔らか」を分けるポイント

生地の温度を上げない

  • 粉とバターを馴染ませる作業時
  • 卵や牛乳などの液体を混ぜる作業時

粉とバターを馴染ませる作業

粉とバターを馴染ませる作業中にバターが溶けて少しでもベタつくようになったら、すぐに作業をやめて冷やしましょう。

厳しいことを言いましたが、作業に慣れていれば途中で冷やさなくても大丈夫でしょう。お菓子作りに慣れていない人が暑い時期になるとバターが溶けるかもしれません。注意してください。

フードプロセッサーを使えば安心です。

スコーンの作り方「外サク中フワ」「ザクザク」「柔らか」を分けるポイント

卵や牛乳などの液体を混ぜる作業

気温が低い時は心配いりませんが、気温が高い時は注意が必要です。

また、液体の量が多いレシピはベタつきやすい。液体が多いのである程度ベタつくのは仕方ありませんが、生地が冷たいと液体が多くてもベタつきにくく、生地の温度が上がってしまうと液体が少なくてもベタつきます。

生地の温度を上げないように注意し、できるだけ涼しい室内で作業しましょう。

生地がベタベタするようになるとサクサクもザクザクも弱くなり、柔らかいのにモソっとしたスコーンになりやすいです。

スコーンの作り方「外サク中フワ」「ザクザク」「柔らか」を分けるポイント

なるべくこねない

液体を加え混ぜ合わせる作業時になるべくこないで生地をまとめる。

  1. ほぼこねない生地を押し固めるだけ=サックリ、ザックリするが膨らみが悪く固め。厚焼きクッキーに近い
  2. 最小限の手数でまとめる=サクサク~ザクザク。理想的
  3. こねてまとめる=柔らかい。適度にこねるとふんわりとして膨らみがよい

2がおすすめ。

水分を加え生地をまとめる作業

水分の多い塊をカードで切るようにし粉っぽい部分と馴染ませる。指先でやっても構いません。

水分の多い部分、粉っぽい部分がなくなってきたら、ボールに押し付けるようにまとめる。こねない。

生地のかたまりをカードで半分に切り、重ねるを3~4回繰り返し一かたまりにする。ここでもこねない。少々ムラがあるくらいが丁度よい。

ラップかビニール袋で包み冷蔵庫で休ませる。

このくらいの作業だと「外サク中フワ(サクサク)」「ザクザク」のスコーンになります。

切って重ねる回数を増やしたり、こねてまとめると柔らかくなり膨らみもよくなります。ないと思いますが、しっかりとこねると(こね過ぎ)固くなります。

スコーンの作り方「外サク中フワ」「ザクザク」「柔らか」を分けるポイント

外サク中フワのスコーンを作るためには

1.粉とバターを馴染ませる作業の際、バターの粒が残らないくらいに混ぜ合わせる。尚且つ気温や手の熱でバターを溶かさない。温度が上がってきたら作業を中断して冷やす。フードプロセッサーでの作業がおすすめ。

2.卵や牛乳などの液体を混ぜる作業の際、生地の温度を上げない。心配なら「1」の作業の後、冷蔵庫で冷やす。冷たい粉類と冷たい液体を混ぜれば生地の温度は上がらない。

3.液体を加え混ぜ合わせる作業の際、なるべくこないで最小限の手数でまとめる

以上の3点を意識してスコーンを作れば、外サク中フワ(サクサク)のスコーンが簡単に作れます。ザクザクよりにしたければバターの粒を残し気味にしましょう。

最後に、スコーンは家庭菓子ですから、神経質に細かいことを気にせず気軽に作ればよいと思います。ですが、簡単ゆえに少しのポイントを意識するだけで思いのほかできが変わったりするのです。

細かいことは気にしないで気軽にラフに作るのも大いにアリ。それでよいのですが、いくつかのポイントを意識しながら作業をすれば、自分好みのスコーンが見つかる近道になるでしょう。

→ スコーンミックス粉

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堀内芳昌@紅茶専門店ティークラブ

ティークラブは、産地をブレンドしないピュアな紅茶を 最も美味しいいれ方で飲んでみたい そんな純粋な紅茶好きのための紅茶専門店です。紅茶を軸に「ベイク」「ティー&ドリンク...

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