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スコーンの作り方「ラビングイン」と「クリーミング」

こんにちは。紅茶専門店ティークラブの堀内芳昌です。

スコーンの作り方の「ラビングインメソッド」と「クリーミングメソッド」を比べてみました。

この2つがスコーンの作り方の2大方法といえるでしょう。まずは2つの違いからお話しします。

スコーンの作り方「ラビングイン」「クリーミング」

  • ラビングイン:粉とバターを合わせサラサラにする
  • クリーミング:バターに砂糖や卵を合わせてから粉を混ぜる

ラビングイン

一般的なスコーンの作り方が「ラビングイン」。粉とバターを合わせてサラサラの粉チーズような状態にしてから卵などの水分を合わせる方法です。ティークラブでは基本こちらの作り方。

材料・生地の温度によってスコーンのでき上がりが多少変わります。

クリーミング

クリーミングは、バターケーキのような作り方。室温で柔らかくしたバターに砂糖・塩を混ぜ、卵を混ぜる。バター、砂糖、卵を分離しないように乳化させてから粉と牛乳などの水分を合わせます。

作業は難しくありませんが、生地がベタベタして扱いにくいのが難点だと思います。

「ラビングイン」と「クリーミング」今回のレシピと全く同じ作り方でないにしても、大きく分ければスコーンの作り方はこの2つに集約されます。

同じ配合で「ラビングイン」と「クリーミング」のスコーンを作る

材料と配合を全く同じにして「ラビングイン」と「クリーミング」でスコーンを作ってみました。同じ温度で同じ時間、同時に焼きました。

本来は「ラビングイン」と「クリーミング」それぞれにレシピがあります。作り方だけでなく配合も違います。今回は違いを分かりやすくするために同じ配合で作りました。

「ラビングイン」と「クリーミング」で作るスコーン/材料

【材料】四人分(やや小ぶりのスコーン8個分)

  • 薄力粉(ドルチェ)・・・140g
  • 強力粉(はるゆたかブレンド)・・・60g
  • ベーキングパウダー(アルミフリー)・・・5g
  • きび砂糖・・・18g
  • 塩(ゲランド)・・・2g
  • バター(無塩発酵)・・・50g
  • 全卵・・・40g
  • 牛乳・・・60g

「ラビングイン」で作るスコーン/作り方

 ボールに粉類(薄力粉・強力粉・ベーキングパウダー)をふるい入れる
小さくカットしたバターを入れ、粉をまぶしながら指先で潰す
バターが小さくなったら、手の平をすり合わせ粉とバターを馴染ませる
砂糖と塩を加えて混ぜ合わせる

※フードプロセッサーを使うと簡単

「ラビングイン」で作るスコーン/作り方

 卵と牛乳を加え、フォークやカードなどでザックリと合わせる
カードで塊を切るように、水分の多い部分と粉っぽい部分を馴染ませる
ボールに押し付けるようにまとめる

 カードで半分に切り、重ねるを2~4回しながら一かたまりにする
ラップやビニール袋で包み形を整える。冷蔵庫で20~30分休ませる

 粉をふったまな板などに生地をのせ、麺棒で約2cmの厚さに伸ばす
直径5.5~6㎝くらいの抜型で4個分抜く
残りの生地はまとめ、2cmの厚さに伸ばし4等分に切る(2回目は型抜きしない)

 生地の表面に卵(分量外・材料の残り)を塗る※なくてもよい
紙を敷いた天板に並べ、予熱したオーブン200℃前後で15~20分焼く
焼き上がったら網に乗せて粗熱をとる

※温度・焼き時間は調整してください。今回は200℃18分

「クリーミング」で作るスコーン/作り方

 材料を室温にする
粉類を合わせてふるう

 ボールにバターを入れ柔らかくなるまで練り混ぜる
砂糖・塩を加え混ぜる
溶きほぐした卵を少しずつ加えその都度混ぜる

「クリーミング」で作るスコーン/作り方

 粉類の1/3を加え混ぜ、牛乳の1/2を加え混ぜる
粉類の1/3、牛乳の1/2、粉類の1/3の順に加え、その都度丁寧に混ぜる

 なるべくこねないように押し固めるようにまとめる
ラップやビニール袋で包み形を整える。冷蔵庫で20~30分休ませる

 粉をふったまな板などに生地をのせ、麺棒で約2cmの厚さに伸ばす
直径5.5~6㎝くらいの抜型で4個分抜く
残りの生地はまとめ、2cmの厚さに伸ばし4等分に切る(2回目は型抜きしない)

 生地の表面に卵(分量外・材料の残り)を塗る※なくてもよい
紙を敷いた天板に並べ、予熱したオーブン200℃前後で15~20分焼く
焼き上がったら網に乗せて粗熱をとる

※温度・焼き時間は調整してください。今回は200℃18分

「ラビングイン」と「クリーミング」で作るスコーン

  • 生地の温度が一番の違い
  • ラビングインがおすすめ

生地の温度が一番の違い

ラビングインは材料を冷やして作ることをおすすめしています。けれども、材料を全部冷やす・バター・卵・牛乳は冷えたもの他は室温・すべて室温の材料で作ることもできます。

今回のラビングインは材料を全て冷やして作りました。

材料を冷やして作ると生地がダレないので作りやすく、焼き上がりも側面がきれいに立ち上がります。見栄えがいいですね。

クリーミングは材料を室温して作ります。材料が冷えていると分離するので、必ず室温にする必要があります。

ラビングインとクリーミングの一番の違いは「生地の温度」といってもよいでしょう。

生地が冷えていると扱いやすい

ラビングインは生地が冷えているからベタつかず扱いやすい。生地をのばす時もやりやすく、型で抜く時もくっつかずスッと抜けます。

クリーミングは室温の生地だからベタベタして扱いにくい。生地は伸ばしにくく、型で抜く時は型にくっつきやすく潰れます。

スコーンのレシピに対して、ベタつくから「バターが多いんじゃないか?」「水分が多いんじゃないか?」などの意見を目にすることがあります。ですが、多くの場合は生地の温度の影響だと思います。バターや水分を増やしても生地が冷えていればベタつきにくく、同じ配合でも温度が高いとベタつくからです。

実は、ラビングインも材料を室温にして作るとクリーミングと似たような生地の状態になります。暑い時期に作業にもたつくと似たような状況になることがあります。

逆にクリーミングの場合も、生地をひとまとめにした後(前述の作業4)冷蔵庫で1時間以上置いて、生地がしっかりと冷えてから次の作業に移れば、生地のダレはなくなります。ただし、このやり方は、かなり時間がかかるし、作業性も悪いのでおすすめはしません。

「ラビングイン」と「クリーミング」で作るスコーン

ラビングインがおすすめ

ラビングインのほうが簡単で、短時間でできるのでおすすめです。味もほとんどの人がラビングインのほうが美味しいといいます。

クリーミングは、「ラビングインが苦手な人が試していただければ」という感じですね。ネットで調べてみるとラビングインのバターと粉を合わせる作業が苦手という人が一定数いるようですね。そのような方はクリーミングを試してみてください。

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堀内芳昌@紅茶専門店ティークラブ

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