紅茶とフードのペアリングの考え方
こんにちは。紅茶専門店ティークラブの堀内芳昌です。
この投稿では、カテゴリー【紅茶とフードのダンディコーデ】のキーとなる「フードのペアリングの考え方」=紅茶とフードのダンディコーデ基礎をお話しましす。
紅茶とフードのペアリングの3つのパターン
- 引き立てる:フードの味わいを邪魔することなく引き立てる組み合わせ【紅茶<フード】
- 相乗効果:紅茶とフードの共通する風味が同調し味わいを強め合う組み合わせ【紅茶=フード】
- 相互作用:紅茶とフードの異なる風味が影響を及ぼし味わいを広げる組み合わせ【紅茶+フード】
紅茶とフードのペアリングは、「引き立てる」「相乗効果」「相互作用」の3つを基本と考えます。
一つずつ紹介しますね。
引き立てる
紅茶<フード
フードの味わいを邪魔することなく引き立てる組み合わせ
難易度:低
ベーシックな紅茶が向く。特長のはっきりした紅茶は使いにくい。
ベーシックな紅茶なら、好きな紅茶と好きなフードを合わせやすい。
お菓子やパンなど紅茶と相性のよいものを組わせれば、概ねハズレはない。
例)
洋菓子にディンブラ(ディンブラに洋菓子):バランスがよく主張し過ぎないディンブラはケーキの味を引き立てる。
注意点)
軽すぎる紅茶は味わいを引き立てることがなく一緒に飲むだけになり、ペアリングとは言い難いです。水を飲んでもペアリングとは言えないのと似た感覚です。間違ってはいないけど、よくはないですね。
ちなみに、「口をサッパリさせる」はペアリングとは関係ありません。紅茶が油分を流し口がスッキリし食が進むというのは正しい考えですが、ペアリングとは違います。
「引き立てる」まとめ
ペアリングパターンの「引き立てる」は、お菓子やパンなど紅茶と相性のよいものを組わせれば、ほとんどが当て嵌まるといえるでしょう。ラプサンスーチョンやフレーバーティーを考えもなく組わせるのでなければ、好きなものを組み合わせればOKといってもいいくらいです。
なので、紅茶と菓子・パンのペアリングを考える時は、主として「相乗効果」と「相互作用」を意識したほうがよいでしょう。
相乗効果
紅茶=フード
紅茶とフードの共通する風味が同調し味わいを強め合う組み合わせ
同じような風味の紅茶とフードを組み合わせる
難易度:中
紅茶とフードの特長を掴んでいないと組み合わせができない
適度に特徴がある紅茶が向く
軽くすぎないベーシックな紅茶も使える
例)
柑橘系の風味のケーキにディンブラやウバ:甘酸っぱい風味が同調する
アールグレイに柑橘系の風味のケーキ:柑橘の風味が同調する
スイートポテトにアッサム:芋の香りを合わせる
キーマンにチーズやハムのサンドイッチ:スモーキーな香りを合わせる
例2)
ハムやチーズのサンドイッチにアールグレイやキーマンなら「相乗効果」
アールグレイやキーマンにハムやチーズのサンドイッチなら「相乗効果」
ハムやチーズのサンドイッチにディンブラなら「引き立てる」
ディンブラに相乗効果のペアリングでサンドイッチを合わせたいのなら甘酸っぱい風味の素材を使う、バラの花のジャムを加えるなどが考えられます。
相互作用
紅茶+フード
紅茶とフードの異なる風味が影響を及ぼし味わいを広げる組み合わせ
難易度:中~高
紅茶とフードの特長を掴んでいないと組み合わせ出来ない
特徴のある紅茶とフードの組合せが多くなる
紅茶にハーブや果物・スパイスを+αして風味を追加するのも効果的
紅茶にフードを合わせよりも、フードに紅茶を合わせたほうがイメージしやすい。フードに足したい要素をプラスする。すでに食べたことがあるフードと飲んだことがある紅茶の組合せになる
例)
スパイスが合うケーキ(例えばアップルパイ)に、スパイスを使っていない場合にアールグレイのスパイシーさをプラスする
爽快さをプラスしたいフードに、ウバやファーストフラッシュの柑橘の香りの甘酸っぱいフルーティーさやミントのような爽快感をプラスする
など
スパイスを使っていないアップルパイに、シナモンティーを合わせる(※アップルパイの味を知らないとペアリングできない)
紅茶とフードのダンディコーデ
「引き立てる」「相乗効果」「相互作用」が紅茶とフードのペアリングの基本的な考え方です。
風味だけでなく、色合いや食感、素材などもペアリングの一要素となります。一視点だけでなく、幅広く柔軟に関かえてみてください。
紅茶とフードの組わせにプラスして、食器やカトラリーなどを含めてテーブルの上まで考えたコーディネートするとより一層素晴らしいペアリングになるでしょう。紅茶とフードのペアリングに慣れてきたらコーディネートの要素を広げてみてはいかがでしょうか。
すべては美味しいティータイムのため
紅茶とフードのペアリングの目的な素敵なティータイムのためです。
堅苦しく考える必要はありません。
教科書通りがすべてではありません。
好きなもの同士の組合せがペアリング的にはNGだとしても自分で食べるにはOKです。そもそもペアリングなんて考えなくてもいいんです。ティータイムは楽しむためのものですからね。
このケーキにはどんな紅茶を合わせればいいのかな?
このケーキにはどの紅茶を合わせれば、いつもより一層素敵なティータイムになるのかな?
この紅茶にはどんな食べ物が合うのかな?
この紅茶には何を合わせるともっと美味しく紅茶を飲めるのかな?
などと考える時の参考になれば嬉しいです。
ペアリングに興味がある人は、何となく組わせるのではなく「引き立てる」「相乗効果」「相互作用」の3つ、中でも「相乗効果」「相互作用」を意識して紅茶とフードの組合わせを考えてみてください。意識するだけでもいろいろと違いを感じると思いますよ。
では、またねー。