お菓子作りは細かい計量が必要は、本当なのか?
こんにちは。紅茶専門店ティークラブの堀内芳昌です。
「お菓子作りは細かい計量が必要」といわることが多いです。正しくもあり、そーでもないともいえるでしょう。「半分正解、半分嘘」は言い過ぎですが、「そーでもない」は合っていると思います。
もちろん正しい計量をしたほうがよいに決まっていますが、そこそこアバウトでもそれなりにできるからです。
それも素人調理のなんちゃってや原型をとどめないトンデモ完成形ではなくて、ちゃんと美味しくできるのです。
私のお菓子作りはデジタル秤で計量していますが、配合そのものは意外とザックリです。なるべく具材をたくさん入れたいとか、甘さは控えめにしたいなどと考えながら作っています。正直、失敗気味になることもありますが、そこそこできるものです。
家庭菓子はアバウトな計量でも大丈夫
家庭で作るお菓子は、バターや卵が100g前後のレシピが多いと思います。そのようなレシピであれば、バターや卵や他の材料が10~20g違ったところで、正しく作っていれば、食べられないようなものにはなりません。
言い方を変えると、配合や計量が正しくても作り方で手抜きをすれば、うまくいきません。両方大事。両方そこそこでもイケる。
卵の分量を量っていますか?
卵って結構分量が違うんですよ。同じブランドの卵でも季節によっても違ったりします。
ということは、卵を計量しない時点ですでにアバウトだということです。卵2個なら10gくらい平気で違いますからね。
卵を計量しない人は、他の材料をキッチリ量っても弱いんです。卵を計量しないのなら、他の材料も多少違っても大丈夫ということです。
分量が多く変われば、お菓子は別ものになる
卵を計量しないのなら他の材料も多少違っても大丈夫といっても、砂糖100gのレシピで砂糖が50gになったり150gになったら美味しいお菓子を作るのは難しいでしょう。卵2個のレシピを他の分量を変えずに卵だけ1個に減らしたら難しいでしょう。
配合を大きく変えたら、お菓子は別ものになります。
やっぱりお菓子は正しい計量が必要なんじゃないの?
と思ったかもしれませんね。
料理もお菓子も似たようなもの
例えば「肉じゃが」を作ったとしましょう。醬油や砂糖の量がレシピの半分になったり、倍入れてしまったら、食べられるか心配ではありませんか?
料理でもお菓子でも、多少の違いは何とかなるし、味は好みの差くらいだったりすることも多い。大きく違ったら美味しくないのは、料理でもお菓子でも同じです。キチンと計量し、レシピ通りに作れば美味しくなるのは、料理もお菓子も同じです。
お菓子だけを特別視するのは不思議な話です。料理もお菓子も紅茶もコーヒーも大枠では同じだと私は考えます。
- お菓子は正確に計量すれば、うまくいきやすく、失敗しにくい。
- 料理も正確に計量すれば、うまくいきやすく、失敗しにくい。
- お菓子はアバウトな計量だと失敗しやすい。
- 料理もアバウトな計量だと失敗しやすい。
- お菓子も料理も慣れれば、アバウトでもなんとかなる。
- プロの料理は精度が求められる。家庭料理はそこそこでもいいのでは?
- プロの菓子は精度が求められる。家庭菓子はそこそこでもいいのでは?
目的はティータイムを楽しむこと
お菓子を作る目的は人それぞれあると思います。
単純に作ることが好きな人は、計量がどうのこうのなどと考えないはずです。私は食べることも好きですが、作ることが好きなので計量は苦になりません。しかも、専門学校で調理実習の講師をしているので、自分では目分量で作るものまでレシピにしますから計量は慣れたものです。
対して、計量が面倒、計量をキチンとしないといけないと考える人は、作ることよりも食べることが好きな人やティータイムを楽しみたい人ではないでしょうか。作ることが苦手な人もいるのかもしれません。それ自体はいいと思います。食べることが好きな人がいるから、作る人は頑張れたりもするんです。
家庭菓子はもっとザックリでいいと思います。
レシピや配合や計量も大事ですが、作ることに疲れてしまっては本末転倒です。
気軽に作ったお菓子でも美味しい紅茶と一緒に食べれば、素敵なティータイムになると私は考えています。
ホッと一息のティータイムを過ごすことが目的のはずですから、お菓子作りはもっと気軽に。気持ちをゆるめて楽しみましょう。
それでは、また。